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小出国賠事件、最高裁勝訴判決を受け警視庁に要請書を提出しました
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2004年1月20日、監禁されていた小出亜紀子さん(当時24歳)が殺害された事件について、警察の捜査怠慢の責任を認める判決が、2011年5月31日付けの最高裁第三小法廷の決定によってようやく確定しました。多摩中央警察署が捜査権限を行使していれば、亜紀子さんが殺害されずに済んだことが司法の場で明確に確認されたことになります。
本件において、亜紀子さんの両親および知人は、当初より、犯人の氏名、写真など犯人の特定につながる情報を提供し、また、亜紀子さんが監禁されていることを示す情報を提供して捜査を求めていました。しかし、多摩中央警察署は、これに真摯に対応せず、事情を聴取した生活安全課は、事件性の判断を刑事課に仰ぐに当たり、聴取した情報のすべてを刑事課に引き継ぎませんでした。さらには、犯人が亜紀子さんに強要して言わせた「さがさないで」という言葉を鵜呑みにするなどして事件性がないと判断し、また、警察署内での電話を通じ、犯人に警察の介入を知らせるなど初歩的なミスを犯しました。
実は、亜紀子さんの事件以前にも、警察の捜査怠慢による被害遺族による国賠訴訟はいくつも提起され、そのたびに、再発予防のための法改正や提言などがなされてきました。しかし、亜紀子さんの事件に、これらの教訓は生かされることなく、警察は同じ過ちを犯したのです。
なぜこのような初歩的な捜査怠慢が起きたのか、亜紀子さんを救えなかった本当の原因は何かを究明しなければ、今後の再発予防にはなりません。また、再発予防策の実行を担保するための仕組みも必要となります。
二度とこのような悲しい事件が起きることがないよう、ご両親と弁護団は、最高裁の勝訴判決を受け、2011年6月13日、警視庁に対し、以下の三点について要請書を提出いたしました。
1 小出亜紀子さんの両親に対し、直接、謝罪をすること。
2 なぜ亜紀子さんを救えなかったのか、なぜ捜査の怠慢が繰り返されるのかを第三者機関においてすみやかに検証し、再発防止策を講じること。
但し、第三者機関には、市民感覚のある第三者を入れ、公開の場で審議し、結果を文書で公表すること。
3 再発防止策の実行を定期的にチェックし、結果を公表すること。
この日、警視庁の訴務課の前田守彦課長が対応し、警視庁として謝罪をすると述べられましたが、本当の謝罪は、なぜこのような事件が起きたのか、徹底的な原因究明や再発予防策の構築等の施策がなされてはじめて果たされたというべきです。また、ご両親はあくまで警視庁のトップである総監と捜査を怠った多摩中央警察署の謝罪を求めるとのコメントを出されております。
警視庁からは、一ヶ月以内を目処に、要請書への回答がなされることになっています。二度とこのような事件を起こさないためにも、警視庁が、要請書に対し真摯に回答するよう求めます。
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