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サカイ引越センター残業代訴訟控訴審完全勝訴! ~ 見せかけの「出来高給(歩合給)」に歯止めを ~
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株式会社サカイ引越センター(以下「サカイ」)の元作業員兼ドライバーの原告3名が、サカイの給与体系が不当であると訴えて未払残業代等を請求した裁判です。
2023年8月、一審の東京地裁立川支部は、原告3名合わせて、未払残業代等として約950万円、付加金として約620万円の計約1570万円の支払をサカイに命ずる判決を出しました。その後、サカイが控訴して舞台は東京高裁に移りましたが、本年5月15日、東京高裁(第1民事部 金子修裁判長)は、一審判決を維持する労働者側勝訴の判決を下しました。
出来高払制賃金は、通常の月給制とは残業代の計算方法が異なり、同じ労働時間数、同じ賃金額でも、月給制(割増率1.25)より出来高払制(割増率0.25)の方が残業代が低くなる仕組みとなっています。サカイはこの仕組みを利用して、5つの手当について本来は出来高払制に当たらないのに出来高払制と称して残業代を低く計算し、労働者に毎月平均80時間を超える長時間の時間外労働をさせていました。これについて東京高裁も地裁判決と同様に、5つの手当のいずれも出来高払制賃金にあたらないとの判断を下しました。いくら会社側が出来高払制賃金と称しても労基法に沿って正当な残業代を払う必要があると判断したことは、見せかけの「出来高給(歩合給)」に歯止めをかける重要なもので、この判断枠組みは引越業界にとどまらず、「出来高払制賃金」を多く採用する運送業界全体にもあてはまるでしょう。
サカイには、地裁判決に続き東京高裁判決でも出来高払制賃金が否定されたことを真摯に受け止め、労働時間の改善とともに、現行の給与体系から労基法の趣旨に合致した正当な残業代を支払う給与体系に変更し、引越業界のトップメーカーとして業界全体の働き方を改善する模範となることを期待します。
サカイの給与体系は全国一律ですので、この判決はサカイで働く多くのドライバーにも影響があります。同じような条件下で働く現役の従業員はもちろん、過去に退職された方も請求が可能ですが、時効(3年間)にはお気を付け下さい。私たちは、法に則った給与体系に変更させるべく、今後もサカイに対して更なる裁判を提起していく考えでおります。ご相談をご希望の方はぜひ当事務所までお問合せください。
*本件は当事務所の弁護士小林克信、弁護士村松暁、弁護士高畠健人が担当しました(サカイ残業代訴訟弁護団)。
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